DEPARTURES

濃い灰色のトレーナーに、濃い灰色のジーンズ。
今日一日、一応喪に服していました。

/ 20:35 /

2年生の半ば過ぎ頃から、病気で学校を休んでいたうちの科長が、昨日の朝に亡くなったそうです。
亡くなった「そうです」というのは、昨日の夜に覗いた携帯に、友達からのメールが入っていたから。
15時に送られたメールを見たのは、翌日になって1時間過ぎた後でした。

新年が来る前に、逝ってしまった。
私が眠っていたその時に、あの人は眠ってしまった。

メールを見た時驚いたくせに、心臓は少し周期を早めただけで。
「ああ、そうなのか」と。
応え一つない状況に、もう頭は解っていたのかもしれないって。

厳しさと優しさをごっちゃまぜにして固めたような、そんな豪快な繊細な先生。
テストは一番難しくて、怒るタイミングは人一倍読めなくて。
「科長」という肩書きに寸分違わぬ、立派な人でした。

過去形で書かなきゃならないことが不思議でならない。

数日前に急いで書いてポストに投函した年賀状は、やっぱり出さない方がよかったんだろうか。
『3年一同、すこぶる元気です。』
選んで選んでようやく書いた言葉は届くだろうか。
そんなことを、思うのです。


実感はやっぱりないけれど、きっと頭では解っている。
だから、哀しいと思うのはやめよう。それが―との向き合い方だ。
ありがとうだけを残そう。
そして、また朝に目覚めよう。

あと一日と少しで年が明ける。



この記事を読んでくださった方へ。
これからまた通常営業です。
どうか心配はなさらぬよう。調子はすこぶるまあまあなつもりです。
年明け直前にこんな話を読ませてしまってごめんなさい。
たぶん、私は元気です。テレビを見て笑っていられるくらいは。

それでは、逢えたならまた明日。年が明ける前に。
いい大晦日が過ごせますように。